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下記の事例を読んで、少し考えてください。

テーマ「薄い関わり方」

とある男はとある会社で働いており、打ち合わせで必要なので、後輩に、書類Aと書類Bを用意するように伝えていた。ところが前回の打ち合わせで、顧客から書類Cも持ってくるように言われていて、それを忘れてしまったのである。

後輩も前回の打ち合わせには出席していたので書類Cが必要だということは気付いていて、彼(先輩)に「書類Cはいらないんですか」と聞いたが、彼は忙しそうにしていて生返事をして必要だとも不要だとも言わなかった。そして後輩は書類Cを用意しなかったから、彼は激怒したし、後輩は「なんでおれのせいなわけ?おれは確認したし」と内心憤っていて同僚に愚痴るのであった。

この事例について「およそ妥当なこと」を言っているものは下記のうちどれでしょうか。一つ選んでみましょう。

◆完全に先輩が悪いと言える
◆二人とも落ち度はあるが後輩の怠慢が大きいと言える
◆先輩にはほぼ落ち度はないと言える

▼正解とコラムを読む▼

校長の解説正解「二人とも落ち度はあるが後輩の怠慢が大きいと言える」

校長が第三者ならば、ほぼ後輩の落ち度だと考えるし、同じ会社にいたらこの後輩にがっかりするところである。

この先輩は、うっかりしていた。書類Aと書類Bしか指示せず、書類Cの存在を忘れていた。そして後輩からの助言も忙しくてしっかりと聞けていなかった。しっかり聞かないといけないのはそうだが、聞けていなかった。ミスである。

後輩は、書類Cが必要だと分かっていたのである。先輩に書類Cはいらないのかと確認したが、先輩が生返事をしてろくに聞かなかった。先輩が生返事をしてちゃんと確認しなかったことも、後輩は知っていたのである。なぜちゃんと返事するまで聞かなかったのか、もしくは念のために用意しておかなかったのか。これは「自分はちゃんと確認したから」という自己正当化ができると踏んで、面倒なことをやらなかった、後輩の怠慢である。

結局のところ、この後輩は、この仕事で良い成果を出すかどうか(具体的に言えば、次の打ち合わせでは何が必要か)ではなく、先輩に言われたかどうかとか、自己正当化できるかどうかとか、そんなことしか考えていないのである。自分は書類Cが必要かどうかと確認した、と後輩は言い張るかもしれないが、先輩は生返事をしたのだから「確認」はしていないだろう。遠くのほうで「書類Cは必要ですか」とつぶやいたのとさほど変わらない。まぁこの先輩も、後輩に激怒できるほど偉そうにできるのかという話ではあるが、ほとんどの落ち度は「この後で困ったことになると分かっていたのに先輩のせいにできると思って積極的に動かなかった」この後輩の怠慢にあると言えるだろう。

まぁさらに言えば、先輩に確認しづらくなるような「余計なことを言うんじゃない。黙って言うことを聞いていればいいんだ」というようなエピソードが背景にあるかもしれないが、そこまでは問題文では分からないところである。

話を戻すが、恋愛でも似たような構図はときどき見られるものである。例えばカップルの彼女が「クリスマスはサークルの友達と過ごすから」と彼氏に携帯でメッセージを送ったとする。彼氏がクリスマスは一緒に過ごすと思い込んでいることも、忙しくて携帯のメッセージを流し読みしているだけなことも分かっていて、そういうことをしていたらどうだろうか。それでクリスマスが近づいてきたときにこれを把握した彼氏が怒り出して、彼女が「だからサークルの友達と過ごすってメッセージ入れたじゃん。ちゃんと読まないのが悪いんでしょ」と反論したら、たいがいはこの言い争いに彼女が勝つだろう。だがこういうシナリオを分かってやっているのだから彼女があまりに冷たいのではないだろうか。彼氏がメッセージをろくに読まないということへの憤りをこういう形でぶつけたかった、鬱憤を晴らしてやった、ちゃんと読まないことを責めてやる、という自覚が彼女にあるのならまだましだが、「私はやることをやったのに」と思い込んでいるならあまりに無責任で愛がないと言えるだろう。

関わり方が薄く、愛がないし、思いやりがない。それが積極性のなさに出ているのである。はい、やることやったんで、あとはあなたの責任です、という姿勢は裁判では勝てるかもしれないが信頼は失うだろう。

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